アングル矯正歯科学会とは?
Angle Southern California a Component of the Edward H. Angle Society of Orthodontists
アメリカを中心に世界中から矯正専門歯科医のエリートが集う、最高峰の矯正歯科学会であると言われています。アメリカでは矯正歯科専門医のトップ5%程度が参加しており、日本人の正会員は40人弱(2024年1月現在)のみです。事実、アメリカ矯正歯科学会(AAO)などで「アングルの正会員」であると自己紹介すると、リスペクトされるほど権威性があります。
アングル矯正歯科学会には7つの支部があり、支部ごとに入会審査のルールが異なります。当院院長が所属する南カリフォルニア支部は、アングル先生の本拠地であったこともあり、審査が厳しいことで知られています。
正会員になるためには、10症例の報告と口頭発表、口頭試問、論文発表など、厳しい審査をクリアしなければならず、入会後も毎年症例報告をする必要があるため、資格を維持することも大変です。
一方で、日本にはまだ入って来ていないような新しい治療技術や情報などをタイムリーに得られ、各メンバーによる様々な症例検討の知見も得られるため、日々の診療のレベルアップに繋がっています。
アングル先生とアングル矯正歯科学会の歴史
Edward H. Angle Society of Orthodontists(アングル矯正歯科学会)は、「歯科矯正学の「父」」として知られている、エドワード・アングル先生とその教え子たちが1922年に作った、矯正歯科の世界で最も歴史の古い組織です。
アングル先生は、歯科矯正学の教育と実践の標準化に生涯を捧げた偉人で、世界初の矯正歯科学校「Angle College of Orthodontia」を設立し、その後もアメリカ国内に3つの矯正歯科学校を設立しました。アングル先生が指導した174人のうち、25人がAmerican Association of Orthodontists(アメリカ矯正歯科学会)の会長、11人が矯正部門長、3人が歯科学校の学部長になりました。
アングル先生は、歯の位置の異常を示す「不正咬合」という用語を作り、矯正歯科分野に革命をもたらした不正咬合の分類システムを提案しました。また、矯正治療のための器具の発明や、いくつかの外科的技術も考案し、46件の特許を持っています。
中でも、1928年にアングル先生が発表した「エッジワイズ法」は、現在も世界中で使用されている主要な矯正歯科の装置です。
参考:
グローバル化する歯科矯正治療 4.ブラケットの進化 エッジワイズ法の進歩
Angle Southern California A Component Of The Edward H. Angle Society
Wikipedia 「Edward Angle」